グループ法人税制① 概要
2010年10月1日より、法人税法の改正により、グループ法人税制と呼ばれる制度が始まりました。
これは、グループ関係のある会社間で行った一定の取引に適用されます。
どのような取引がこの制度の対象になるかは後ほどお伝えしますが、
まずは適用の対象となる会社が限られているので、その点をお伝えします。
グループ法人税制は個人又は法人が会社の株式を100%保有している場合に、資本規模に関係なく適用されます。
100%保有とは、1人もしくは1社で100%保有している場合だけでなく、
親族や関係会社などで合計100%を保有している場合も含むので注意が必要です。
個人の場合は親族なども含む株主グループで株式を100%保有している会社が2社以上あると、
その会社間での一定の取引に適用されます。
法人の場合は株主グループで株式を100%保有している場合、
親会社と子会社・子会社同士・子会社と孫会社など、グループ会社間の一定の取引に適用されます。
また、個人がA会社の株式を100%・B会社の株式を50%保有していて、
A会社がB会社の株式を50%保有しているような場合にも、A・B間の取引に適用されます。
要は、親族や子会社などを通して100%株式を持っていれば、
その企業グループの全てが適用の対象となるのです。
現在のところ、100%の関係があるかどうかは株式数のみでの判定をするようになっていますので、
いわゆる無議決権株式を発行している会社の場合、1人の個人が議決権を100%持っていても、
持株数が100%にならずにこの制度の適用対象外となる場合もあります。
100%の持株関係がある会社には、以前から連結納税制度という制度がありますが、
これは任意で選択した場合のみ適用ができるのに対し、
グループ法人税制は全ての会社に強制適用となる点も注意が必要です。
中小企業の場合、親族で株式を持ち合って会社を複数作っている場合も多いので、
まずは自分の会社が適用の対象となるのか、対象となるならどの会社との取引が対象になるのかを確認しておきましょう。
遠い親戚の会社でも対象となることがありますので、事前の確認が大切です。
判断に困る場合、対象となるのか不明な場合は当事務所までお気軽にお問い合わせください。
2010年11月 1日